LMCMとは
LMCMは大量のLEDマトリクスを制御することを可能にした制御ボードです。
LMCM一枚で、最大192×128ドットのLEDマトリクスを制御することができます。映像はRGBフルカラーで、秒間60フレームで表示することができます。
左写真(128×192)のようなRGBフルカラーの映像を、秒間60フレームで表示することができます。液晶と同等以上に正確な色彩制御により、ちらつきもなく解像度以上の表現力があります。
LEDマトリクスは市販の、HUB75インタフェースで、スキャンラインが4あるいは8であるものが使用できます。
LEDマトリクスの配置は自由度が高く、縦横回転のほか、立体的な配置やLEDマトリクスの間隔を離すなど、複雑な形状を表現することができます。
(専用のエディタで編集することで、LEDマトリクスの個別のセクション設定に対応します)
WindowsPCからUSBによる直接制御
LMCMは、WindowsPCとUSBケーブル(USB2.0)で繋いで表示することができます。
専用アプリ『LEDMatrix NeCoWin』を使用すれば、WindowsPCの画面の一部をリアルタイムでキャプチャして、そのまま動画として表示することができます。
防火訓練アプリを起動すると同時にその画面をLMCMに表示する……などのように、別のアプリからコマンドを呼び出すことで、別アプリと連携してキャプチャすることもできます。
MP4やYoutubeの動画も表示できますが、動画配信サイトやDVDの映像は、著作権で保護されているため表示することができません。
RaspberryPi(R)で制御
LMCMは、基板にRaspberryPi(R)を装着し、Raspbianに専用のアプリケーションを書き込むことでも動作します。
案内表示板や街頭モニタの用途での利用にお勧めします。
この場合は、スマートフォンやPCから、無償配布のコントロールアプリによって操作するほか、USBメモリに書き込んだ画像・動画を表示することができます。
Raspbianは頻繁にバージョンアップが行われ、LMCMの制御アプリとの互換性が失われることがあるため、当方がmicroSDカードで提供する構築済みロムイメージを使用することをお勧めします。
LMCMをRaspberryPiとLEDマトリクスP10x6枚の構成で接続した例
(LMCMは試作版であり現在のものとは仕様が異なります)
LMCMに使用できるRaspberryPi(R)は、以下のものが最低利用環境となります。
■最大192×64ドット
- RaspberryPi 3(R)
- RaspberyPi Zero 2(R)
■最大192×128ドット
- RaspberryPi 4(R)
RaspberryPiの性能と回路の仕様(SPIの複数同時利用)により、表示できるLEDマトリクスの系統数が増減します。
基本的にはRaspberry Pi4(R)のご利用をお勧めします。
LMCMとRaspberryPi(R)でできること
- RaspberryPi(R)に書き込んだ(もしくはUSBメモリに書き込んで差し込んだ)画像、動画(MP4,AVI等ffmpeg対応フォーマット)を表示する
- Androidスマートフォンで、RaspberryPi(R)に書き込んだ画像、動画を表示する
- PCあるいはスマートフォンで、その場で入力したメッセージを表示する
- RaspberryPi(R)に書き込まれている画像、動画、メッセージをスケジュールして繰り返し表示する
- PCの画面をキャプチャしてリアルタイム表示する
- 複数のLMCMをLANで接続し、さらに大きなLEDパネルとして連携表示させる
- コマンドで動作するため、Pythonなどのスクリプト言語で複雑な動作を、ユーザーがプログラムすることができる
応用例
■スピードガンメーター LSGMシリーズ
64×48ドット(10mmピッチ)のLED筐体を作成して、スピードガンメーターの表示部分に使用しました。
RS-232Cでスピードガンから送り込まれる速度を、筐体内部のLMCMに装着されたRaspberryPi Zero2(R)で解析し、LEDマトリクスに表示しています。
スピードガンの速度はRS-232Cで送り込まれてくるものを、RaspberryPi(R)にUSBシリアルアダプタで受信し、Pythonスクリプトで解析を行って、その都度LMCMにコマンドを送って表示しています。
■動画
LMCMを、一枚あたりの最大サイズである128×192ドット(6mmピッチ)で使用したデモです。
55インチ相当のディスプレイ筐体に搭載し、イベントや店頭掲示板などのデモンストレーションを計画しております。
よくある質問
Q:必要な電源がわからない
A:ハードウェアマニュアルを参照し、計算方法をご覧ください。
Q:画面キャプチャ表示が表示したいところだけ真っ黒になる
A:動画配信サイトの映画など、著作権保護されたコンテンツである可能性があります。これらはLMCMでは表示することはできません。
Q:LEDマトリクスとの配線はどのようにすればいい?
A:当方が提供するLEDマトリクス(SMD3535-P6-32X32-S8など)であれば、添付のケーブルをLMCMに信号と電源についてそれぞれ装着し、動作させることができます。
そうでなければ、LED側にAGW18の電源ケーブルにVH4のメス端子を装着して、電源側には端子台用のY端子やフェルール端子などを装着してください。
Q:汎用電源からLMCMに給電して、ACアダプタを省略することはできないか
A:推奨できません。全面白発光など瞬間的にLEDの消費電力が大きくなったとき、LEDとLMCMへの給電を同一の電源で行っていた場合、RaspberryPiへの給電が不安定化して、再起動するなどの動作不良を起こす可能性があります。
Q:動画に含まれた音声を再生することはできないか
A:RaspberryPi動作の場合、音声出力をLineスピーカに接続することで再生できます。Bluetoothスピーカは検証中です。(2023年8月現在)
Q:同系統のLEDマトリクスコントローラに比べて、制御できる枚数が少ないのでは?
A:LMCMはHUB75端子ひとつにつき2枚(P10ならば4枚)までしか装着できず、端子数を12個にすることで表示数を増やしています。これは通信速度を最大化して、高い表示速度と階調表現を実現するためです。(秒間60フレーム、自然色)
より多くの枚数を制御する場合、複数枚のLMCM(RaspberryPi装着)をイーサネットで接続して、連携表示を行うマルチコントロールモードを使用します。
Q:指定以外のLEDマトリクスには対応しないのか?
A:LMCMの仕様として、HUB75形式の、ドライブメソッドが4もしくは8のLEDマトリクスであれば、表示することが可能です。
ただし、LEDマトリクスはセクション設定と呼ぶLEDの表示ルールが製品毎(同一販売者でも同一性が保証できません)に異なっており、LEDマトリクスごとにその設定を解析して、セクション設定に合わせたテンプレートを作成する必要があります。
テンプレートはテキストエディタでXMLファイルを編集して作成できますが、当面は当方に使用したいLEDマトリクスの仕様を送付いただき、判断するのがよいかと思います。
関連情報
お求めのときは
LMCMは、以下の販売サイトで取り扱いいただいております。
▼スイッチサイエンス
仕様や機能についての問い合わせは、当方までメールもしくは問い合わせフォームよりお願いいたします。